2009年12月16日 (水) | 編集 |
その言葉に、何とかこれだけは信じてくれと口を開いたものの一蹴される。
「…本気?本気でこのザマか?」
こんな風に強姦まがいの事をして泣かせるのが、貴様の本気なのかと言われれば、返す言葉もなくて。
ぐっと黙り込んだ様子に、何を感じたのか親友の口からは大げさな程の溜息が零れた。
「……ふん、本気は本気のようだな。しかしな、許した訳でもないしハボックの意思もある。こんなに怯えて泣いているのをココに置いておける訳もない」
連れて帰るからな。
「…ハボックの意思は別にしても、覚えておけよ」
それ相応の報いは受けてもらうからな。
そう言って。
その優男的な外見からは想像も出来ない力で、自分よりも長身のハボックを抱えた親友は荒々しい足取りで出て行った。
その剣幕に。
何も言い返せなかったものの。
ハボックを諦める事が出来ない自覚はあった。
だから。
(絶対、諦めねぇっっ)
「ひっく、えっぐっ」
一つ下の階に押えておいた部屋に、連れて行ったロイは内心の溜息を抑えつつ、泣き止まないハボックを眺めた。
あの。
誰にも捕らわれなかった親友が、本気になったのは喜ばしい事だ。
相手が己の大事な部下で、こんな事態になっていなかったら諸手を挙げて歓迎しただろう。
否。
百歩譲って、己の部下である事には眼を瞑ろう。
けれど。
相手も拙ければ、手段も拙い。
これでどうやって歓迎出来るのかと、溜息を付いた。
そして。
未だ、自分に何が起こったのか、信じる事が出来ていない様子のハボックをどうやって落ち着かせるべきなのかと、ただ立ち尽くしていた。
きゅ〜と。2につづく(笑)
「…本気?本気でこのザマか?」
こんな風に強姦まがいの事をして泣かせるのが、貴様の本気なのかと言われれば、返す言葉もなくて。
ぐっと黙り込んだ様子に、何を感じたのか親友の口からは大げさな程の溜息が零れた。
「……ふん、本気は本気のようだな。しかしな、許した訳でもないしハボックの意思もある。こんなに怯えて泣いているのをココに置いておける訳もない」
連れて帰るからな。
「…ハボックの意思は別にしても、覚えておけよ」
それ相応の報いは受けてもらうからな。
そう言って。
その優男的な外見からは想像も出来ない力で、自分よりも長身のハボックを抱えた親友は荒々しい足取りで出て行った。
その剣幕に。
何も言い返せなかったものの。
ハボックを諦める事が出来ない自覚はあった。
だから。
(絶対、諦めねぇっっ)
「ひっく、えっぐっ」
一つ下の階に押えておいた部屋に、連れて行ったロイは内心の溜息を抑えつつ、泣き止まないハボックを眺めた。
あの。
誰にも捕らわれなかった親友が、本気になったのは喜ばしい事だ。
相手が己の大事な部下で、こんな事態になっていなかったら諸手を挙げて歓迎しただろう。
否。
百歩譲って、己の部下である事には眼を瞑ろう。
けれど。
相手も拙ければ、手段も拙い。
これでどうやって歓迎出来るのかと、溜息を付いた。
そして。
未だ、自分に何が起こったのか、信じる事が出来ていない様子のハボックをどうやって落ち着かせるべきなのかと、ただ立ち尽くしていた。
きゅ〜と。2につづく(笑)
2009年12月14日 (月) | 編集 |
何かもう、何がなんでも欲しいと思っちまって。
「結局、お前さんの同意も得てないのに……」
これじゃ、強姦だよなぁ。
そう。
後悔と困惑と、混乱に満ちた声音に。
何か言わなければと口を開いた瞬間。
けたたましい騒音が響いた。
ダンタンッ。
「ヒューズッ、ここを開けろっっ」
その声には聞き覚えが嫌と言う程にあった。
ハボックを宥めるのに必死で、うっかりと忘れていたのだ。
「開んと言うなら、勝手に開けさせてもらうぞっっ」
言うが早いか、錬金術で勝手に鍵を開けて飛び込んで来たのは恐ろしい形相の親友だった。
「…昨日、お前を送って行った筈のハボックが定時になっても出勤して来ないと言うから嫌な予感がして来てみればっっ、ヒューズ…、貴様っ、どういうつもりだっっっ」
普段の余裕を滲ませた笑みなど、欠片もない。
本気の怒りにかられた形相は、ちょっと気の弱い相手なら直視しただけで軽く心臓麻痺でも起こしかねないもので。
「た、大佐ぁっ、うえっ、ひっくっ」
腕の中で漸く泣き止んでくれた筈のハボックは、直属の上官の姿に気が緩んだのかまたも涙腺を緩ませた。
「ハボックッ、貴様、ハボックをこっちに寄越せっっ」
無理矢理引っ手繰るようにしてハボックを自分の方に引き寄せると、忌々しげに叱責される。
「貴様がとんな付き合い方をしようが、今更だっ、何も言うつもりはないっ、しかし私の部下に手を出すとはどう言う事だっっ」
「遊びじゃねぇよ。ハボックが好きなんだ」
「結局、お前さんの同意も得てないのに……」
これじゃ、強姦だよなぁ。
そう。
後悔と困惑と、混乱に満ちた声音に。
何か言わなければと口を開いた瞬間。
けたたましい騒音が響いた。
ダンタンッ。
「ヒューズッ、ここを開けろっっ」
その声には聞き覚えが嫌と言う程にあった。
ハボックを宥めるのに必死で、うっかりと忘れていたのだ。
「開んと言うなら、勝手に開けさせてもらうぞっっ」
言うが早いか、錬金術で勝手に鍵を開けて飛び込んで来たのは恐ろしい形相の親友だった。
「…昨日、お前を送って行った筈のハボックが定時になっても出勤して来ないと言うから嫌な予感がして来てみればっっ、ヒューズ…、貴様っ、どういうつもりだっっっ」
普段の余裕を滲ませた笑みなど、欠片もない。
本気の怒りにかられた形相は、ちょっと気の弱い相手なら直視しただけで軽く心臓麻痺でも起こしかねないもので。
「た、大佐ぁっ、うえっ、ひっくっ」
腕の中で漸く泣き止んでくれた筈のハボックは、直属の上官の姿に気が緩んだのかまたも涙腺を緩ませた。
「ハボックッ、貴様、ハボックをこっちに寄越せっっ」
無理矢理引っ手繰るようにしてハボックを自分の方に引き寄せると、忌々しげに叱責される。
「貴様がとんな付き合い方をしようが、今更だっ、何も言うつもりはないっ、しかし私の部下に手を出すとはどう言う事だっっ」
「遊びじゃねぇよ。ハボックが好きなんだ」
2009年12月12日 (土) | 編集 |
人種的なものなのか、マスタング大佐とそう変わりない身長に、同じ黒髪に不精髭。
けれど。
マスタング大佐のような黒い瞳ではない、スクエアタイプの眼鏡の奥の深いグリーンの瞳は鋭い光を放っていて。
肩書きは、情報部将校と聞いて出来る人なんだと思った。
なのに。
肩書きの割に、気さくな性格なのか東部への出張の度に色々と構ってくれるのが嬉しくて、随分と懐いていた自覚はあった。
なのに。
どうして、こんな事になったのかとぐるぐると考えていたハボックの頭に、その言葉は突然すぎたのだ。
好きだと言われた言葉の意味を理解する前に、予想外の出来事に己の中のキャパを軽く越えてしまっていて。
気付いた時には、もう止まらないくらいの勢いで大泣きしていた。
「…ひっ、ひっくっ、うぇっ」
「し、少尉?な、泣くなよ」
いや、泣くなって言える立場じゃねぇよなぁ。
泣きじゃくりながら、耳に届いたのはそんな中佐の声で。
本気で困っているのが解かって、何とか泣き止もうとはするものの、抑えようとすればする程、涙が溢れてどうして良いのか解からなくなる。
「うっ、ひっ、ひぅぅっ」
「ごめんなっ、俺、順番間違えちまってっ」
今までマトモな、恋愛してこなかったから。
「ごめんっ、俺が悪いのは解かってっから」
けど、お前さんが泣くの、駄目なんだよ。
「どうして良いか解かんねぇんだっ、頼むから泣き止んでくれょぉ」
必死な声音と、ぎゅっと抱き締めてくる腕に吃驚して息が止まった。
ひくりと、止まった己の嗚咽に安堵したのか、はふりと大きな溜息が耳元で聞こえた。
「…ごめんな。俺が全部悪い」
そう言いながら、でも好きなんだと言う声音はこんな時だと言うのに信じられると思えるくらいに真摯な色を滲ませていた。
「…ずっと、気になってたんだ。でも、お前さんはロイの大事な部下だし、そんな風に思うのおかしいと思ってたんだ」
けど。
昨日、酒が入って気が緩んでたんだ。
「酒飲んで気持ち良くなった俺を送ってくれるって、言ってくれたのが嬉しくてさ」
けれど。
マスタング大佐のような黒い瞳ではない、スクエアタイプの眼鏡の奥の深いグリーンの瞳は鋭い光を放っていて。
肩書きは、情報部将校と聞いて出来る人なんだと思った。
なのに。
肩書きの割に、気さくな性格なのか東部への出張の度に色々と構ってくれるのが嬉しくて、随分と懐いていた自覚はあった。
なのに。
どうして、こんな事になったのかとぐるぐると考えていたハボックの頭に、その言葉は突然すぎたのだ。
好きだと言われた言葉の意味を理解する前に、予想外の出来事に己の中のキャパを軽く越えてしまっていて。
気付いた時には、もう止まらないくらいの勢いで大泣きしていた。
「…ひっ、ひっくっ、うぇっ」
「し、少尉?な、泣くなよ」
いや、泣くなって言える立場じゃねぇよなぁ。
泣きじゃくりながら、耳に届いたのはそんな中佐の声で。
本気で困っているのが解かって、何とか泣き止もうとはするものの、抑えようとすればする程、涙が溢れてどうして良いのか解からなくなる。
「うっ、ひっ、ひぅぅっ」
「ごめんなっ、俺、順番間違えちまってっ」
今までマトモな、恋愛してこなかったから。
「ごめんっ、俺が悪いのは解かってっから」
けど、お前さんが泣くの、駄目なんだよ。
「どうして良いか解かんねぇんだっ、頼むから泣き止んでくれょぉ」
必死な声音と、ぎゅっと抱き締めてくる腕に吃驚して息が止まった。
ひくりと、止まった己の嗚咽に安堵したのか、はふりと大きな溜息が耳元で聞こえた。
「…ごめんな。俺が全部悪い」
そう言いながら、でも好きなんだと言う声音はこんな時だと言うのに信じられると思えるくらいに真摯な色を滲ませていた。
「…ずっと、気になってたんだ。でも、お前さんはロイの大事な部下だし、そんな風に思うのおかしいと思ってたんだ」
けど。
昨日、酒が入って気が緩んでたんだ。
「酒飲んで気持ち良くなった俺を送ってくれるって、言ってくれたのが嬉しくてさ」
2009年12月10日 (木) | 編集 |
派手な女性遍歴を噂されるのは親友の方だったが、実際に酷いのは自分の方だと知っている。
親友は確かに色々な女性達との付き合いがある。
けれど。
実際にはその殆どがお茶を飲んだり、夕食を共にする程度の付き合いだ。
確かに中には深い付き合いだった女性も居るようだが、同時に複数の女性と深い仲になれる程、あの親友は不誠実ではない。
だから。
親友には、口を酸っぱくする程に言われていたのだ。
本気の相手に対しては誠実になれよ、と。
何時か本気で好きな相手が出来た時、絶対に後悔するぞ、と。
何度も言われ、その度にそんな相手は出て来ないと笑っていた自分がたった今、この瞬間に恨めしい。
初めて、気になった相手だったのだ。
「…ごめんな?…こんな事しといて言うのも何だけどよ」
俺、少尉の事。好きだったんだわ。
そう言って。
覗き込んだシーツの隙間の見えた顔は。
怯えを滲ませた眼で、ぼろぼろと涙を零していた。
俺、少尉の事。好きだったんだわ。
そう、言われた言葉に。
昨夜、一体何があったのかを思い出して、呆然とする。
一体、何故そんな事になったのか、いくら考えても思い出せない。
ただ。
気付けば、このベッドの上に押さえ付けられていたのだ。
元々、結構気安く声をかけてくれる上官だった。
直属の上官ではなかったものの、マスタング大佐の部下となった時、紹介された人だった。
親友は確かに色々な女性達との付き合いがある。
けれど。
実際にはその殆どがお茶を飲んだり、夕食を共にする程度の付き合いだ。
確かに中には深い付き合いだった女性も居るようだが、同時に複数の女性と深い仲になれる程、あの親友は不誠実ではない。
だから。
親友には、口を酸っぱくする程に言われていたのだ。
本気の相手に対しては誠実になれよ、と。
何時か本気で好きな相手が出来た時、絶対に後悔するぞ、と。
何度も言われ、その度にそんな相手は出て来ないと笑っていた自分がたった今、この瞬間に恨めしい。
初めて、気になった相手だったのだ。
「…ごめんな?…こんな事しといて言うのも何だけどよ」
俺、少尉の事。好きだったんだわ。
そう言って。
覗き込んだシーツの隙間の見えた顔は。
怯えを滲ませた眼で、ぼろぼろと涙を零していた。
俺、少尉の事。好きだったんだわ。
そう、言われた言葉に。
昨夜、一体何があったのかを思い出して、呆然とする。
一体、何故そんな事になったのか、いくら考えても思い出せない。
ただ。
気付けば、このベッドの上に押さえ付けられていたのだ。
元々、結構気安く声をかけてくれる上官だった。
直属の上官ではなかったものの、マスタング大佐の部下となった時、紹介された人だった。
2009年12月08日 (火) | 編集 |
そうか、初恋か。
などと、浮かれた事を考えながらぼんやりと眺めていれば、眠っていた少尉の瞼がふるりと震えた。
咄嗟に息を飲んで見詰めていれば、ふるふると震えた後、ゆっくりとその眼が開いた。
(…あぁ、やっぱ金髪碧眼だと宗教的っつーか、…きれーだよなぁ)
「……ここ…?」
どこ?
と、呟いた声は酷く掠れていて。
昨日、散々に啼かせた事を反省しつつ、その顔を覗き込む。
「お早うさん、少尉」
ここは、俺が泊まってるホテルだ。
昨日の事、覚えてっか?
そう言った瞬間、信じられないものでも見たような眼で飛び起きた少尉は、途端慣れない痛みにもう一度ベッドに沈み込んだ。
「……っっ、っ」
痛みに唸るような声を上げて蹲った少尉に、咄嗟に伸ばした手はびくりと身を竦める相手に空を掴んだ。
その気配にはっきりと怯えを感じとったのだ。
(ああ。そう言や、オレ無理矢理抱いたんだっけか)
本当は今すぐに抱き締めたい所だけれど、ここまで怯えている相手に対してどうして良いのか解からない。
否。
ここはもう相手が許してくれるまで謝るしかないのだとは、頭の隅では解かっている。
非は全て、己にあるのだ。
けれど、少尉の同意を得ていない行為だとしても、ヒューズにとっては無しには出来ない事で。
(許してもらえるなんて都合の良い事、考えてる訳じゃねぇけど)
気付いてしまったのだ。
自分は、この少尉がどうしても欲しい。
「…だ、大丈夫……、じゃねぇよな。ごめんな、怖いって言ってたのにな」
おろおろとそんな事しか口に出来ない自分に、情けなさを覚えた。
今まで、まともな恋愛もせずに要領良く、都合の良い相手ばかりとSEXだけをしてきたツケが来たのだと、噛み締める事し出来ない。
恋愛など、面倒だと思っていた。
否。
事実、面倒でそんな手間の掛からない相手ばかりと付き合ってきたのだ。
などと、浮かれた事を考えながらぼんやりと眺めていれば、眠っていた少尉の瞼がふるりと震えた。
咄嗟に息を飲んで見詰めていれば、ふるふると震えた後、ゆっくりとその眼が開いた。
(…あぁ、やっぱ金髪碧眼だと宗教的っつーか、…きれーだよなぁ)
「……ここ…?」
どこ?
と、呟いた声は酷く掠れていて。
昨日、散々に啼かせた事を反省しつつ、その顔を覗き込む。
「お早うさん、少尉」
ここは、俺が泊まってるホテルだ。
昨日の事、覚えてっか?
そう言った瞬間、信じられないものでも見たような眼で飛び起きた少尉は、途端慣れない痛みにもう一度ベッドに沈み込んだ。
「……っっ、っ」
痛みに唸るような声を上げて蹲った少尉に、咄嗟に伸ばした手はびくりと身を竦める相手に空を掴んだ。
その気配にはっきりと怯えを感じとったのだ。
(ああ。そう言や、オレ無理矢理抱いたんだっけか)
本当は今すぐに抱き締めたい所だけれど、ここまで怯えている相手に対してどうして良いのか解からない。
否。
ここはもう相手が許してくれるまで謝るしかないのだとは、頭の隅では解かっている。
非は全て、己にあるのだ。
けれど、少尉の同意を得ていない行為だとしても、ヒューズにとっては無しには出来ない事で。
(許してもらえるなんて都合の良い事、考えてる訳じゃねぇけど)
気付いてしまったのだ。
自分は、この少尉がどうしても欲しい。
「…だ、大丈夫……、じゃねぇよな。ごめんな、怖いって言ってたのにな」
おろおろとそんな事しか口に出来ない自分に、情けなさを覚えた。
今まで、まともな恋愛もせずに要領良く、都合の良い相手ばかりとSEXだけをしてきたツケが来たのだと、噛み締める事し出来ない。
恋愛など、面倒だと思っていた。
否。
事実、面倒でそんな手間の掛からない相手ばかりと付き合ってきたのだ。



