冬コミの原稿の進み具合も、よろしくなく(笑)
更新も止まってますが、頑張ってますので…せめて残業が減ってくれれば何とかなるんですが…(T_T)
by momomame at 23:58 |
ひとりごと |
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このままでは、でれでれのヒューズしか出てこない危険性が大!なので、ちょっと方向修正してハボックが出てくるようにしようと思ってます。
「3」のうちにハボックは1歳も成長しません(-_-;)
だって、同じ日の出来事で終わりそうなんですもん……(涙)
暫しお待ち下さい。
by momomame at 22:43 |
ひとりごと |
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カール・フェルナンドは、大袈裟な溜息を零した。
普段どれだけ軽い態度を取って周囲を煙に巻いてみせようと、彼の上官は自他共に認める切れ者であった。
そして。
良い人に見せてその実、とんでもない悪い人である事もカールは不幸な事に知っていた。
女性達との付き合いも親友であるロイ・マスタング大佐程に派手な訳ではないけれど、そこそこには激しく。
しかし、マスタング大佐よりも性質の悪い事ばかり仕出かしていた。
女に優しく見えながら、げれど本当は彼女達に欠片も感心がない事に、副官と言う立場で側に居るが為に見えてしまって。
本当は、女遊びで浮世を流すマスタングの方が何倍もマトモな事に嫌でも気付かされた。
その人当たりの良い笑顔で、総てを煙に巻いて。
誰にも、その裏にある悪い顔を見せずに。
そして。
何よりも性質が悪いのは、
戦場でさえ、軽やかにステップを踏むように渡り歩いてしまう。
恐らく。
自分の命なんてものに、欠片も執着がないのだろうとカールは思っている。
そして直接聞いた事はないが、その通りなのだろうとカールは確信していた。
そんな、男であったのだ。
マース・ヒューズと言う男は。
その上官が、気付けばあの青年にメロメロになっていた事に気付いた時は、本気で天変地異の前触れかと危ぶんだものであった。
ジャン・ハボック。
それが、マース・ヒューズを骨抜きにした青年の名であった。
上官の親友の部下であると言う以外は、取り立てて目立つ存在ではないと思う。
少し細身ではあるけれど鍛えられた体付きに、標準より少し高めの身長。
多少整ってはいるけれど、彼の上官程に人目を集める程でもない造作の顔立ちに、この国では一番多いだろう金髪碧眼。
カールにとってはどこにでもいる青年でしかない彼が、どうして上官を惹き付けてやまないのかは到底理解出来るものではないが本気だと言うなら、大変喜ばしいかぎりだと思っていたのだ。
今日の、朝までは。
(まさか、この人がここまで壊れてるとは思ってなかったのになー)
大袈裟なまでの溜息を聞こえよがしに零せば、上官は子供のように唇を尖らせて言ったのだ。
「…何だよー。ちょっちくらい良いじゃんかー…。俺、何時もちゃんと頑張ってんじゃん」
ちょっとくらい、大目に見てくれても良いじゃんかよー。
などと、ぷちぷちと小さな声で言い続ける上官に、本気で眩暈を覚えつつ、カールはげんなりとしつつ窘めた。
「…仕事を疎かにするなら、本人に言い付けますよ?…そんな事になったら、責任感じて帰るって言い出すかもしれませんねぇ」
by momomame at 00:53 |
小説 : マース・ヒューズ中佐の子犬3 |
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マース・ヒューズ中佐の子犬3が始まりました!
今、仕事が立て込んでいるので、始まったものの途中間が開いてしまうかもしれませんが、懲りずに覗きに来てやって下さい。
何しろ、冬コミに出す筈のコピー本を先にUPしてしまおうと言うこの大胆な(爆笑)行動…何も考えていないだけかもしれません(あうっ)
最近、カウンターがどんどん回っているので、嬉しくなっての暴挙なんですが、楽しんで頂けたら幸いです(*^_^*)
あ、ちゃんと冬コミでコピー本として出しますので、本の形で読みたい方は遊びに来て下さいね。
by momomame at 22:31 |
ひとりごと |
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その日、中央情報部には、非常に微妙な空気に包まれていた。
別に、深刻な事件を抱えていた訳でも、上層部に無理難題を押し付けられた訳でもない。
そんな程度の事であったなら、ここの責任者である上官は気に病むような性格をしていない。
どちらかと言うなら、そんな状況であれば逆に上官は嬉々として暗躍してくれる事だろう。
しかし。
事は逆に深刻なのかも知れなかった。
その上官であるマース・ヒューズ中佐の様子が、どうにもおかしいのだ。
それでも機嫌がすこぶる悪いと言う事はあったとしても、ここまで手放しで機嫌が良い事があっただろうかと、部下達が首を傾げる程の機嫌の良さであった。
それも半端ではなく。
見た目は、そうおかしな様子はない。
普段通りに仕事をしているように見える。
けれど。
実は本気で浮かれているのだと言う事は、彼の副官であるカール・フェルナンド大尉が午前中に確認済みであった。
何せ、朝出勤した時点で少しばかり様子がおかしいと思った副官が、熱心にデスクに向かっている上官に嫌な予感がして近付けば仕事などそっちのけで、近所の洋品店のチラシを見ているのだ。
それも。
子供用の、だ。
男児用のTシャツやら、半ズボンを熱心に眺めている。
はっきり言って、独身の成人男性がそれを眺めてニヤニヤと笑っている様子は、不気味以外の何者でもない。
そんな上官に近付き、カールはぼそりと呟いて止めさせたのだ。
「…あまり不審な行動を続けるようでしたら、《彼》には東部にお帰りいただきますよ?」
その瞬間、今までに見た事もないような情けない表情で、慌ててチラシを隠した様子は更に普段の上官にはあるまじき行動で。
by momomame at 22:25 |
小説 : マース・ヒューズ中佐の子犬3 |
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初めましての方も、いつも覗いて下さる方もありがとうございます!
半ズボンにエプロンに新婚さんとだけ聞いたら、ちょっと期待(?)しそうな感じですが、健全な話でした(笑)
次の「3」では、また成長してくるハボックにヒューズが何時まで堪えられるか?!
この話は、ヒューズ受難話ではありません!(笑)
1日で2〜3歳は年を取りますので、それ程待たなくても15歳ぐらいになると思います。
後に幸せを噛み締めて貰います(*^_^*)
by momomame at 23:25 |
ひとりごと |
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「だからっ、誤解だってーっ、俺の話聞いてくれよっ」
頼むから。
そう真剣に言えば、暴れていたハボックの体が漸く大人しくなる。
「…ちょっとさ、降ってわいた幸運てヤツに感動しすぎただけだから…」
「……降ってわいた、幸運?」
その言葉に、何が言いたいのかときょとりとした表情で見上げてくるハボックに、気恥ずかしいような気分で告白する。
「だからさー、昨日…言ったよな?…好きだって」
そう言い聞かせるように言えば、少しだけ耳を赤くしてハボックは頷いた。
「その相手とは、二週間とは言え同居出来るうえ、朝食まで作ってもらって、…そんな弁当まで作ってもらっちゃったら…。どうしようってくらい舞い上がっても仕方ねーじゃんよ…」
しかもお前、半端なく料理上手いし。
「気分は新婚さんじゃん」
うわー、感動とか思ったら表情固まっちまって。
「…迷惑な訳ねーだろ。むしろ、すっげー嬉しい」
だから、その弁当くれよ。
そう背後から抱き締めたまま耳元で囁けば、擽ったかったのか薄くて小さな肩が震えた。
そして。
振り向きもせず、無言で渡された弁当を有難く受け取り。
そして。
出かけようとした時。
またも、上着の裾を引っ張られた。
「今度は、どした?」
そう言って、身を屈ませたヒューズはその瞬間、何が起こったのかも解らずに硬直した。
目前に。
ふわふわの金色が迫ったかと思えば。
ちゅっ。
なんて言う可愛い音と共に、何かが唇に触れたのだ。
「……………………」
「……新婚さんなんスよね?」
だったら。
言ってらっしゃいの、キス。
「…ああ、そうか」
何を言われたのか全然理解出来ずに、ただ頷いて呆然とするヒューズを真っ赤になった顔のまま、ハボックが送り出して。
「……行ってらっしゃい。中佐」
その日、一日。
有能で切れ者と名高い、マース・ヒューズ中佐が使い物にならなかったのは、周知の事実であった。
END
by momomame at 23:06 |
小説 : マース・ヒューズ中佐の子犬2 |
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「んじゃ、行ってくっからな」
俺の留守中は、絶対外に一人で出るなよ?
帰る前には、一度電話するから。
「必要な物とかあったら、そん時に言ってくれ。買って帰れるモンは買ってくっから」
そう言って、軍服に袖を通したヒューズの上着の裾をそっと引っ張られて、ヒューズは振り返った。
「ん?どした?」
「……これ」
おずおずと差し出されたのは、新聞紙に包まれた何かで。
内心首を傾げつつも受け取ってみれば、そのほのかな温かみから、どうやら弁当らしいと気付いて吃驚する。
「…まさか、弁当?」
初めて食べた朝食にも感動したけれど(ホントに感動ものの料理の数々だった。特にパンケーキは絶品だった)まさか、弁当まで作ってもらえるなんて、思いもかけないサプライズじゃないかっっ。
などと感動しすぎて半ば呆然としたヒューズの様子に、要らなかったのだと判断したハボックは、慌ててその包みを取り返した。
「ご、ごめんなさいっ、弁当要らなかったっスよねっ、大丈夫です、オレのお昼にすればすむ事だしっっ」
だから気にしないで下さい。
なんて言いながら、顔を真っ赤にして犬耳項垂れさせているハボックに、ヒューズは本気で慌てる。
ここで変な誤解をされては、この弁当を返して貰えなくなると今日一日、地獄のようにへこんでしまう自信がある。
「え?え?ちょっ、ちょっと、待てっっハボックっ」
「大丈夫ですっっ、気にしないで下さいっオレが勝手に作っただけだしっ」
そう言って包みを抱えたまま、奥に走り出そうとしたハボックの小さな体を背後から抱かかえて押さえ込む。
by momomame at 22:24 |
小説 : マース・ヒューズ中佐の子犬2 |
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冬コミ情報!
スペースは、東4ホール ヨ−42b です。
新刊:「LOVE STEP 3」
「マース・ヒューズ中佐の子犬 すりぃ」(コピー本)
以上の2冊を予定してます。
今回委託ではなく、スペースが取れているので既刊本も全部並びます。
覗いてやって下さい。
by momomame at 22:24 |
イベント |
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勢い込んで言うハボックに苦笑しつつも、ヒューズは同意する。
確かにそうなのだ。
隣で見ていた自分が、保障する。
食材は、文句なく良かった。
調理方法も別段、独創的な訳でもない。
実にオーソドックスに、まるで教科書か何かで読んだ通りにマニュアル通りだ。
味付けも、見ている限りは間違っている様子もない。
なのに。
ロイが作ると、微妙な味になるのだ。
不味い訳でもない。
しかし、美味しいかと言えば確実にNOとしか言えない料理なのだ。
「…オレ、思ったんスけど。あれって、やっぱ大佐の愛情なのかなって」
真剣な表情で、ミルクパンを傾けるハボックの呟きに、店で注文してもこれ程美味しそうなパンケーキにあり付けるだろうかと思いつつ入れかけていたナイフを危う取り落としそうになる。
「…はあっ?」
「いや、あのっ、ほらっ、料理の隠し味は《愛情》だとか言うじゃないですか。そうすると一生懸命、美味しいもの食べさせたいって言う純粋な《愛情》を込めて作ると美味しくなるんだとした
ら、大佐の《愛情》ってちょっと変わってそうだから…ああ言う味になるのかなっ、て……」
「……ぐふっ」
「中佐?どうかしました?」
ちょっと思ったと言うハボックの言葉に、一瞬絶句したヒューズは次の瞬間、爆笑する。
「…ぶぁっ、はははははっっ、ちっ、ちょっと……かわっ」
ひーひー言う程に笑い転げ、息も絶え絶えになりつつ、ヒューズはハボックを見た。
何がそんなに可笑しかったのか、判っていない様子で怒ったような、泣きそうな表情で見ているのが可愛くて、更に笑いそうになるのを何とか根性で堪えて、言った。
「…お前、それ絶対ロイの前では言うなよ?あれでも本人は自分が真っ当な人間だと思ってんだから」
そんな正直に歪んでるなんて、指摘してくれるなと笑いながら言えば、漸く自分が上官の性格に難ありとはっきり言ってしまった事に気付いたのか、わたわたとするのを慌てて止める。
「おわっ、駄目だってっ、危ないだろーが」
まだ、湯入ってるんだろーが。
そう言ってミルクパンを取り上げれば、まだ自分が珈琲を入れている最中だったのを思い出したのか、ひどく申し訳なさそうな顔で見上げてくるのを大丈夫だと宥めつつ、そのままコンロの上へと戻した。
「もう充分、珈琲も入ってるだろ?…それよりメシにしよーぜ。折角の暖かいパンケーキが冷めちまう」
そう言えば、納得したのか同じように席に付いた。
早速、口に入れたパンケーキは、ヒューズが気に入りのドコのカフェよりもお世辞抜きに上手かった。
by momomame at 22:18 |
小説 : マース・ヒューズ中佐の子犬2 |
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そんな幸せを噛み締めながら、眠った振りをしているとハボックは小さな体全体を使って、ヒューズの上へとダイブして来た。
「ぐえっ」
あまりの突然の行動に、いくら鍛えていると言っても警戒なしに受けた攻撃に、一瞬息が詰まる。
「中佐、おきてくださいっ、朝ごはん出来ましたよっ」
最初っから、起きてたんでしょ?
寝た振りなんかしてっ。
まるで母親か何かのような口調で言った後、けたけたと笑い出すハボックに、噎せ返りながらも呆気に取られたようにヒューズはぼんやりとその顔を見上げた。
屈託のない、笑顔は愛らしく。
ひどく眩しいもので。
「中佐、おはようございますっ」
「……おお、おはよ…」
無意識に応えながら、本当にこれからの2週間、自分の理性が持つのかどうかに一抹の不安を覚えた。
それくらい、約5歳のハボックは愛らしく。
そして、魅惑的な生足であったのだ。
「おおっ、すげぇっっ」
問答無用で起こされて、洗面所に放り込まれたヒューズは食卓を見るなり、大きく叫んだ。
「……そんな大袈裟な」
少しだけ、耳の先(犬耳の方じゃなく、人間の耳の方。結局、二つあるらしいです…?少し…。いや、かなりどう言う構造になってるのか、気になりますが…)を赤くしているところを見ると照れているのだろーか、と思いつつも半ば以上本気で言い切った。
「大袈裟なもんか、自宅でこれだけの手料理が出たのって、俺がここに住み始めて五年くらいなるけど、初めてじゃねーかな…」
と、言いつつ考えて、ああそう言えばと思い出したように言ってみる。
「そー言や、ロイのヤツが作ったあの微妙な味のも手料理のうちに入るって言うんなら二番目だな」
その言葉に、慎重に珈琲をドリップしていたハボックが、青い飴玉のような瞳を大きく見開いて、驚いていた。
「中佐っ、あの人の料理食べたんスかっ?」
「…おうっ、喰ったよ…。話には聞いてたけどさー」
まさか、あそこまで酷いとは普通思わねぇだろ?
その同情の響きの問いに、ハボック自身も食べた事があると知り、同意を求めれば真剣に頷く。
「そうですよねー。最高級とはいかなくても、そこそこ良い素材使ってたのに、あそこまで微妙な味になるって殆ど天才ですよねー」
by momomame at 21:56 |
小説 : マース・ヒューズ中佐の子犬2 |
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何せ、ここ最近、ずっと想い続けていた相手なのだ。
その相手が。
こんな愛らしい幼い子供となって、自分の元に現れたかと思えば、2週間も一緒に過ごせるのだ。
しかも、犬耳、尻尾付きで。
とんだハプニングだけれど、ヒューズにとっては嬉しいハプニングと言えなくもない。
(つーか、可愛いなー。もう、一生懸命普通っぽい顔しちゃって)
こちらに向かって歩いて来る顔は、子供になっても普段通りに飄々としているのに、その余分なパーツがハボックの感情を如実に表していて、楽しい。
もう嬉しくて嬉しくて仕方ないとでも言うように、左右に振られているのだ。
ヒューズにとっては、今すぐ抱き締めて頬ずりしたいくらいの可愛さだった。
(もう昨日から、どれだけ俺を嬉しがらせりゃ良いんだよー)
そう。
昨日も、本当は気づいていたのだ。
抱き締めたハボックが、嫌がってはいなかったのを。
最初は、恐々だったのだ。
なにせ、ハボックに嫌われるのが一番怖かったのだ。
なのに。
胸に頬を僅かにすり寄せられた気がして、抱き締めたハボックに目をやれば、ひらひらとその尻尾が揺れているのが見えた。
それは。
犬が機嫌の良い時に見せる、それに似ていて。
だから。
恐らくあの時のハボックは、ヒューズの告白を嬉しいと感じてくれていたのだ。
それでも。
ハボックが、ヒューズに対して同じ気持ちを抱いてくれていたとは思ってはいない。
そこまで、都合の良い話なんてない事くらい知っている。
多分。
昨日までは、今までのヒューズの言動を冗談だと思っていた筈なのだ。
見た目以上に純朴な青年は、色恋沙汰に対しては驚く程に初心だった。
だから。
そんな直ぐに、同じ気持ちが貰えるとは思っていない。
けれど。
それでも、そう言う意味合いで意識してくれているのが判るだけに嬉しくて仕方が無いのだ。
by momomame at 21:17 |
小説 : マース・ヒューズ中佐の子犬2 |
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少しまだ大きめの黄色いエプロンに半ズボンと言う服装で、ぺたぺたと歩いて来るハボックを薄目を開けて眺めていた。
歩くのに合わせて、ひょこひょこと揺れる金色の綿毛のような髪がヒヨコのようで何とも可愛らしい。
しかし、その愛らしさとは相反した半ズボンから伸びる魅惑的な生足のラインがひどく艶かしくて、心臓が変なリズムを刻むの少しばかり複雑に気分で聞いた。
別段、少女めいた容貌をしている訳でもないのに、ふとした瞬間に酷くヒューズの胸を疼かせるのだ。
ずっと。
感じた事のなかったそんな胸の高鳴りに、一杯一杯の《恋》をしている自分を自覚し、少し前まではそれを肯定する事が出来なくて、足掻いたものだ。
それでも。
忘れる事なんて出来る筈もなく、何度も何度も適当な用事を作っては東部に赴いて、聡い親友にあっさりバレた時に漸く認められたのだ。
自分が。
ジャン・ハボックと言う青年の《恋》をしたと言う事を。
それでも。
告白する事だけは、戸惑われて。
冗談に紛らわせて、告げる事くらいしか出来なかったのだ。
何故なら、ジャン・ハボックはその咥え煙草と多少砕けた喋り方からは想像も付かない程に、あまりに純粋な青年で。
自分では、釣り合う筈がないと思えたのだ。
なのに。
何故だか、親友は応援してくれて。
大事な部下をくれてやる事は出来ないが口説くくらい頑張ってみろ、と言ってくれたのだ。
自分の今までの《悪事》を知っていながら。
決して。
周囲が思う程には、良い人ではなかった自分を知っている筈の親友は、だからこそ本気になれる相手なのならば頑張れと言ってくれたのだ。
その事が、嬉しくて。
でも、自分が今までどんなに所謂《悪い男》であったかを自覚しているだけに、もう一歩を踏み出す事が出来ずにいた。
それが。
今回の東部の事件で、犬耳&尻尾付きの子供となってしまったハボックを預かるなどと言うハプニングで一気にその距離は狭まった。
昨日、自分の元にやって来たハボックはあまりに幼く、そして愛らしく。
動転したヒューズの困惑した態度に、迷惑がられていると勘違いしたハボックが自力で東部まで帰ると言い出して。
それを引き止める為に嬉しくて困っただけだと、破れかぶれで告白までしてしまったのだ。
なのに。
拒絶は、される事がなくて。
現在のヒューズは、都合のいい夢を見ているような状態だった。
昨日、徹夜明けに殆ど気絶するように眠る寸前まで、会いたいと願っていたハボックが。
それが、自分を起こす為にこちらへとやって来る。
夢じゃないかと思うような光景に、ヒューズは未だ眠りの抜けきっていないような顔で一人にやけた笑みを浮かべた。
by momomame at 20:55 |
小説 : マース・ヒューズ中佐の子犬2 |
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ようやくアップする事が出来ました!
すっかりお久しぶりなんですが、楽しんで頂けたら幸いです。
子犬ハボックがちょっとだけ成長しています。
いつまでヒューズの理性が持つか、楽しみにしていて下さい(笑)
by momomame at 22:36 |
ひとりごと |
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マース・ヒューズ中佐の子犬の朝は早い。
ま、そうは言っても中佐の家の子犬となってから、まだ二日しか経ってはいないのだけれども。
それでも子犬は、昨日ご主人が買って来てくれた少しばかり大きめのエプロンを片手に、勝手知ったると言う様子でキッチンに立った。
正確には、テーブルの所から椅子を引き摺って来て、その上にだけれど。
可愛らしいワンコのアップリケが付いた黄色いエプロンを付けながら、子犬は前の日よりも確実に二歳ばかり成長した自分の体にほっと溜息を漏らした。
憂鬱さにでは、ない。
安堵の溜息だった。
実際、2週間あのままだったらどうしようかと、真剣に悩んでいたのだ。
けれど。
どうやら、2週間かけて元の年齢まで 成長するらしい。
だから。
子犬は、今日で約5、6歳程度に成長していたのだ。
小さな卵焼き用のフライパンを器用に操り、パンケーキを焼くと次に取り出したミルクパンで、お湯を沸かす。
コーヒー用のお湯だ。
ケトルは流石に今のハボックには重すぎて持てない。
だから、散々悩んだ挙句ミルクパンでお湯を沸かす事にしたのだ。
そうしてから、ハボックは椅子の上からテーブルを見渡した。
新鮮な野菜のサラダも、パンケーキも、ハムエッグだって並んでいる。
お昼用にと、サンドイッチも用意OKだ。
後は、コーヒーさえ淹れれば出来上がりの状態に、満足げに一人頷き、ハボックはぴょんと椅子を飛び降りた。
この家の主を、起こす為に。
by momomame at 22:31 |
小説 : マース・ヒューズ中佐の子犬2 |
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