Sun
04/08
2007
マース・ヒューズ中佐の子犬3
カツカツ。
その、階段を上る音にハボックは首を傾げた。
他の人が聞いたなら、何の事はない足音だ。
けれど。
軍人であるハボックにとっては、その足音は一番聞きなれた音で。
だからこそ、不思議だったのだ。
こんな時間に、このアパートに訪れる軍人など居る筈がないのだ。
ヒューズは、ここに住んでいる軍人は自分一人だと言っていた。
なら、一体何の用でこのアパートに軍人が来るのだろうか?
少し気になって聞き耳を立てていれば、その足音はこの部屋のすぐ近くで立ち止まったのだ。
「?」
立ち止まってはいるものの、ノックをする様子もなくじっとそこに居る気配だけがあって、更に首を傾げる。
見るからに愛らしいその仕草をヒューズが見れば、完全に舞い上がるだろう事にも気付かず、ハボックは慎重に玄関に向かった。
元々、佐官が住むには不十分な広さしかないアパートである。
慎重に玄関に向かっても、未だ五歳児前後の慎重しかないハボックの歩幅でも、ものの数歩の距離だ。
じっと。
玄関のドア越しに気配を窺えば、そこにあるのはものの見事に気配がバレバレの相手で。
まだそれ程、実践の経験がない事がハボックには解った。
その事に少しだけ、ほっとする。
一瞬、何らかの情報を嗅ぎ付けたどこぞの研究者か、モグリの錬金術師かと危ぶんだのだ。
けれど、そんな相手ならばもう少しは慎重な態度をとる筈だ。
こんなに思慮も配慮もない行動には、出ないだろう。
だから。
一体、誰だろうかとハボックはじっとドアを見詰めた。
そして。
少しの間、逡巡した相手はそれでもノックをしたのだ。
その、階段を上る音にハボックは首を傾げた。
他の人が聞いたなら、何の事はない足音だ。
けれど。
軍人であるハボックにとっては、その足音は一番聞きなれた音で。
だからこそ、不思議だったのだ。
こんな時間に、このアパートに訪れる軍人など居る筈がないのだ。
ヒューズは、ここに住んでいる軍人は自分一人だと言っていた。
なら、一体何の用でこのアパートに軍人が来るのだろうか?
少し気になって聞き耳を立てていれば、その足音はこの部屋のすぐ近くで立ち止まったのだ。
「?」
立ち止まってはいるものの、ノックをする様子もなくじっとそこに居る気配だけがあって、更に首を傾げる。
見るからに愛らしいその仕草をヒューズが見れば、完全に舞い上がるだろう事にも気付かず、ハボックは慎重に玄関に向かった。
元々、佐官が住むには不十分な広さしかないアパートである。
慎重に玄関に向かっても、未だ五歳児前後の慎重しかないハボックの歩幅でも、ものの数歩の距離だ。
じっと。
玄関のドア越しに気配を窺えば、そこにあるのはものの見事に気配がバレバレの相手で。
まだそれ程、実践の経験がない事がハボックには解った。
その事に少しだけ、ほっとする。
一瞬、何らかの情報を嗅ぎ付けたどこぞの研究者か、モグリの錬金術師かと危ぶんだのだ。
けれど、そんな相手ならばもう少しは慎重な態度をとる筈だ。
こんなに思慮も配慮もない行動には、出ないだろう。
だから。
一体、誰だろうかとハボックはじっとドアを見詰めた。
そして。
少しの間、逡巡した相手はそれでもノックをしたのだ。
by momomame at 13:38 |
小説 : マース・ヒューズ中佐の子犬3 |
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