Wed
04/11
2007
マース・ヒューズ中佐の子犬3
その電話がかかった日の事は、生涯忘れないだろうとカール・フェルナンドは、後日友人に語った。
それくらい、その日のマース・ヒューズは恐ろしかったのだ。
元々、喰えない上官だとは思ってはいた。
けれど。
普段、本気で起こらない男の本気がどれ程に恐ろしいものなのか、初めて知ったのだ。
それはもう、夢にまで出てくる程で。
カールは今も自分達の働く職場の、上官宛のホットラインが鳴ると心臓が、きゅっと縮み上がったようになるくらいだ。
多分、それは他の同僚達も同じなのだろう。
電話がなると、皆強張った表情で上官の顔色を伺うと言う微妙に何ともアレな行動を見せるようになったのだ。
それくらい、その日鳴った電話のベルは恐怖への序章のようだった。
ジリリン。
ジリリン。
「……はい、情報部。…ん?ああ、マース・ヒューズ中佐は俺だが?」
怪訝そうな表情で、電話を取ったところまでは普通だったのだ。
けれど。
電話の内容を聞いた瞬間の表情は、何気に見ていたカールの心臓を鷲掴みにするに充分なもので。
どんな極悪人も、こんな表情はしないだろうと思えるくらいのる表情だった。
「ち、…中佐?」
無言で電話を切った上官は、静かに立ち上がると引き出しから愛用の銃を取り出し、懐にしまうとカールにあっさりと言ったのだ。
「ちょっと、出てくる」
オレん家に、誰か入り込んだらしい。
「え?ちょっ、ちょっと待って下さいっっ」
まるで近所に買い物にでも行くようなあっさりとした口調で。
けれど、その内容を理解した途端、カールは真っ青な表情で追いかけた。
追いかけないとダメだと思ったのだ。
普段なら護身用にさえ持たない拳銃まで、持ち出したのだ。
あの青年に傷一つでも負わせていたなら、相手は絶対殺されると思ったのだ。
(は、早く止めないとっっ、殺してしまうっっ)
それくらい、その日のマース・ヒューズは恐ろしかったのだ。
元々、喰えない上官だとは思ってはいた。
けれど。
普段、本気で起こらない男の本気がどれ程に恐ろしいものなのか、初めて知ったのだ。
それはもう、夢にまで出てくる程で。
カールは今も自分達の働く職場の、上官宛のホットラインが鳴ると心臓が、きゅっと縮み上がったようになるくらいだ。
多分、それは他の同僚達も同じなのだろう。
電話がなると、皆強張った表情で上官の顔色を伺うと言う微妙に何ともアレな行動を見せるようになったのだ。
それくらい、その日鳴った電話のベルは恐怖への序章のようだった。
ジリリン。
ジリリン。
「……はい、情報部。…ん?ああ、マース・ヒューズ中佐は俺だが?」
怪訝そうな表情で、電話を取ったところまでは普通だったのだ。
けれど。
電話の内容を聞いた瞬間の表情は、何気に見ていたカールの心臓を鷲掴みにするに充分なもので。
どんな極悪人も、こんな表情はしないだろうと思えるくらいのる表情だった。
「ち、…中佐?」
無言で電話を切った上官は、静かに立ち上がると引き出しから愛用の銃を取り出し、懐にしまうとカールにあっさりと言ったのだ。
「ちょっと、出てくる」
オレん家に、誰か入り込んだらしい。
「え?ちょっ、ちょっと待って下さいっっ」
まるで近所に買い物にでも行くようなあっさりとした口調で。
けれど、その内容を理解した途端、カールは真っ青な表情で追いかけた。
追いかけないとダメだと思ったのだ。
普段なら護身用にさえ持たない拳銃まで、持ち出したのだ。
あの青年に傷一つでも負わせていたなら、相手は絶対殺されると思ったのだ。
(は、早く止めないとっっ、殺してしまうっっ)
by momomame at 22:17 |
小説 : マース・ヒューズ中佐の子犬3 |
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